荒廃のマギカにおける世界地図


魔術と思想の力

 オカルティックな話題や出来事は世界中星の数ほどあります。しかし、そのどれもがいたずらや手品紛いの出来事、自然現象を論理的思考で見た上で創られた文化です。荒廃のマギカの世界でもこれは変わりませんでした。

 しかしそれらは後述する災害後より、物理的な事象を生じさせるようになりました。

 

 災害の発生原因は不明です。ただし神や悪魔の出現はごく一部の者達の間で「人間が想像したからではないか?」とささやかれています。これはドイツの精神科医兼心理学者のカール・グスタフ・ユングが提唱した「集合的無意識」に、龍脈が影響を及ぼしたからではないかと云われています。しかし実際の所、人類はまだ本格的な原因究明に至っていません。


世界の異変

 大災害歴前(Before Disaster)5年――世界中で怪奇現象が多発。

 いわゆるパワースポットといった場所周辺に小規模な地震や奇妙な事件が多発するようになりました。

 神隠しや化け物に襲われたなど一般的には気にも留めないような事件が頻発しはじめます。

 

 大災害歴(After Disaster)0年――世界規模で災害が発生。

 地殻変動、津波、異常気象など様々な天変地異とも呼べる大災害が起こりました。物理的な被害は勿論のこと、非常に濃い霊気は人体にも影響を及ぼし、精神を病むものまで続出。それだけでは終わらず、間もなく伝承や創作作品の中でしか見たことのないような悪魔や妖怪、果ては神まで現れ出しました。人々は恐れ、残存する兵器でもってして対抗しましたが相手は異常な回復力を持っているため焼け石に水。次第に劣勢に追い込まれました。

 

  次第に数を減らす人類。その中でも裕福な者達は地下シェルターなどに隠れて身を潜めました。

 そうでない者達は悪魔や妖怪に恐れをなして教会や寺社仏閣へと逃げ込みます。不思議と寺社仏閣周辺に妖魔は寄り付きませんでした。人々は一心に祈りを捧げます。するとごく一部の人々が祈ると妖魔たちが苦しみ、中には息絶える妖魔までいました。

  ただの無価値な『想い』が、実際に力を得た瞬間でした。

 

 ――それから人類は信仰を盾に、魔術を武器に反逆を始めます。力を得た者達は宗教施設や施設を中心として妖魔の入れない『結界』を街全体に構築します。拠点を得た人々は、それから発電所などの設備を妖魔の手から奪還、一部技術者たちの手によって整備しました。燃料のない人々は魔術でもって火をおこし、電気を生み出します。時とともに魔術の力と技術は洗練されていきました。

 

 今でその化け物を殺す術を災害前の文献に準えて 『魔術』、それを行使する者達を 『魔術師』 と呼んでいます。

 

  大災害歴(After Disaster)40年―国際魔術連盟(International Magical Federation.通称IMF)ならびに世界各地の魔術結社・宗教団体によって土地の安定化が図られています。魔術師は土地と人を守護しつつ、生活圏を広げています。

 大国を除くほとんどの国が亡び、現在では多くの土地が結社によって管理しています。

 しかし、各魔術の理念や力関係故か他宗教の魔術師たちによる軋轢は避けられません。IMFはゲッシュ(呪いによる誓約)を設けてこれを防ぐと共に、人類の怨敵たる妖魔に対して着々と準備を進めてます。


世界情勢、日常生活

●土地の管理

 一部大国を除き、ほとんどの国はその政治的機能を失っています。

 その代わり土地を治める者達が出てきました。それが「魔術結社」です。

 魔術結社は土地の龍脈を安定に保ち、又魔物を駆除する役目を追っています。その他資源調達のための護衛任務や一般人の治療など多岐に渡ります。魔術結社に属する者、魔術師達は災害前は教会に仕える神父であったり、神社に仕える巫女でした。極普通の一般人だった者達が災害後、その力でもって人々を支えています。

●文明レベル

 大国も国内において都市部と地方では生活・文明レベルに開きがあります。これらは物資の有無やエネルギー問題のためです。又、結界の機能している地域のみ安全地帯となっており、国内に都市国家が点在しているような状況にあります。

 現在は文明レベルとしてはごく一部都市はかろうじて文明レベルを維持。そのほか田舎だと産業革命レベルまで下がっています。
 都市部は有名寺社仏閣の大規模結界によりほぼ無事だったため物資などは無事でした。ただし発電など災害当初妖魔や災害による被害で使えない状況にありました。そのため当初は魔術を使える者達が我が身を犠牲に発電所を奪還・維持していました。

 現在は発電所及び送電ルート周囲に結界を張って都市部はなんとか電力供給を得られている状況です。

 又、現在では火力>風力>水力の順に発電量が高い状況です。火力は交代制人力で火をともして発電しています。風力や水力も式神などで定期的に回し続けています。「発電業務」を行えることが1つのステータスになっているといっていいでしょう。

●居住

 居住区については主に一般の人々、平の魔術師職員などは都市部アパートメントに入っています。一軒家に住めるのはごく一部の富裕層や国家首脳陣、結社の長のみです。またそれ以外の貧困層は命を日々脅かされながら町の外側で生活するか、また地下で生活しています。地下に関しては災害前の富裕層が一部幅を利かせている状況であり、文字通りアンダーグラウンドなコミュニティが形成されています。

●衣食

 食料や衣類に関しては区画が基本的に町や村の一部で集中して作っています。都市部に関しては人口割合が多いため、広大な農耕専用地域を開拓して守護しています。衣類は工場の大半がやられてしまったとはいえ都市部に残ったもので小規模に生産されています。ただし魔術師たち特権階級向けに優先的に作られており、一般人は基本的に古着などを着まわしている状況にあります。

●通貨

 通貨は都市部では聖別、お祓済みの木版や鉄コインを使用しています。これらは災害後大量に出た鉄くず、木片を加工したためです。紙幣に関しては製造技術が失われました。製造・維持できなかったことが挙げられます。貨幣の名称については各国災害前に倣って円やドルと呼称しています。

 又、地方都市は貨幣がほとんど機能しておらず物々交換で成り立っています。これは外部からの供給手段が行商人などしかなく、閉鎖的なことに起因しています。

●移動

 都市間の移動は主に魔術師や呪的加工を施した装備で武装した人々、行商人のみとなります。交通手段としては馬が一般的であり、魔術の素養があるものに関しては改造したバイクや車などを使用しています。

 行商ルートとして確立されている道に関しては、基本的に弱い妖魔しか発生しません。

 新米魔術師といえど魔術師。ごく弱い妖魔への対抗手段は持っています。ただし稀に強い妖魔も発生して被害が出るなどしています。

 他者の回復や補正する魔術が得意な魔術師は戦闘を得意とする者と一緒に旅する時が多いです。

 

 一般の人々は地域内で居住しており、外に出ることはほぼありません。ただし国際魔術連盟の役員や日本では修験道の者達が才覚のある子をスカウトしに来ることもあります。

 外部の情報は主に行商人が持ってくる世間話や都市で発行されている新聞、旅の魔術師たちによってもたらされます。


敵対存在について

 人類を脅かす敵対存在は数多くいます。以下が主な存在です。

 主に人間の執念や執着心といった思想が、一定の度合いを超えた時に彼らは生まれるようです。

 

 ●妖魔

  一番数が多く、主に人類を減らす要因となっています。

  妖魔は過去、神話や伝承に登場した者達の姿をとっています。

  又、弱った人間や狂気に染まった魔術師の体が変異して妖魔になるケースもあります。

 

 ●機械兵団(マシンナーズ)

  『災害前の機械文明』に執着した人々の意識により生じた者達です。

 日本の付喪神に酷似しており、近代以降製造された機械に魂が宿った者達です。

 彼らは南極大陸に国を築き、人間をさらってきては労働力としています。しかし不平不満を唱える人間はほとんどいません。

 衣食住が保証され、多少の娯楽もあるため喜んでいる人さえいます。自分たちが機械兵団の武器や仲間を作らされているとも知らずに。

 

 機械兵団トップは「No.0(ナンバーゼロ)」。災害直前に稼働する予定だったスーパーコンピュータです。

 衛星などとも交信し、地球上を常に観測しています。自身たちを優れた生命体として増やそうとしています。

 

 ●超・筋肉大国

  『自身の肉体こそが全て』という考えに執着している人々です。サハラ砂漠中心に『王国』を築き、その国土を増やしています。

 彼らは元はただの一般人でした。それが元ボディ・ビルダーで国王たる「アンドリュー・マーティン」が単身で妖魔を倒した時より一変。

 肉体を鍛えればバケモノでも殺せる。その一念に全てを捧げた結果、「筋肉を狂信する集団」が形成されました。

 彼らのすべては筋肉のためにあります。畑はよりよい筋肉を育てるため、勉学は効率のよい筋肉を構築するため、妖魔討伐はよりよい筋肉を作るために邪魔だから。勿論、この理念に賛同しないものは「貧弱な者」として殺されます。勿論、魔術師も例外なく。

 

 超・筋肉大国トップ「アンドリュー・マーティン」。元ボディ・ビルダー。総合格闘の経験者でもある。

 筋肉大国には序列が定められており、筋肉量に比例する。又自身の筋肉を誇示するため上の位になるほど衣服面積も少なくなっていく。

 ちなみにアンドリューは全裸だが特定の部位は光り輝き見えない。ただし力は本物で、信仰心と類まれな肉体によって魔術的にも「カテゴリ:神」の妖魔に近いといえる。 

 

 ●バベルの塔

 『世界を自身の思う姿に』という考えに執着している人々です。太平洋に全長kmに渡ってそびえる『バベルの塔』を拠点としています。

 彼らの多くが魔術師であり、謎に包まれています。しかし世界各地で大規模な無断儀式魔術を行使するなどの行為がよく見られます。

 個々の信念によって活動しているようですが彼らに共通していることが「世界を自身の思うがままに再構築する」ことです。

 

 バベルの塔トップは謎多き人物「アダム」。国籍などは不明。分かることは容姿から中東系の男性だということのみ。

 不思議な魅力があり、彼の周りには魔術師の中でも指折りの実力者などが集まっています。

 彼が唯一語る「世界をあるべき基の姿に戻す」という考えに賛同した者達が、バベルの塔でも中核を担っています。

 彼自身は世界中あらゆる魔術や思想に通じています。しかし目的のためには龍脈を1つ2つ潰し、地形を変えても構わないようです。

 アダムの語る世界の基の姿とは、災害前の文明なのかはたまた別のものか。彼のみぞ知るところです。

 


仕事の依頼について

 基本的に任務(ミッション)はその地域を管轄している魔術結社から発注されています。

結社が調査員や行商人を通じて土地に異変がおきていることを察知したはいいものの、人手が足りていないため外部へ事件解決を依頼します。対象は主に同結社や組織のメンバーが多いですが、他にもフリーの魔術師や国際魔術連盟へ要請することもあります。
 また、なんらか事件が発生しており依頼が出せない地域に関してはその他の地区の組織が国際魔術連盟に通達後ミッションがだされます。
 正規の魔術師(所属する結社・組織に認定されている者)であればミッションを誰でも受けられます。